赤ちゃんが産まれたら、忙しくなってしまうので、なるべく妊婦の内に出かけておきたいと考える人が多いでしょう。出産後は、赤ちゃんのお世話で旅行どころか、美容院や買い物など自分の用事さえままならなくなりかねません。
友だちや家族と旅行を楽しみたいけれども、泊まりがけは少し心配ですよね。そんな人には、日帰り旅行をおすすめします。
出発前に準備すること
「もう安定期に入ったから」とか「つわりもないし、日帰りだから大丈夫」といった根拠のない安心感を持ってはいけません。妊婦に油断は禁物です。万全の準備をして出かけましょう。まず、飛行機を利用するなら、担当医の許可を取った方が無難です。
事前に航空会社に連絡をしておくと、座席指定やエアポートサポートなどのサービスを受けられることもあります。専用カウンターで、搭乗手続きをすることもできますよ。また、どんな交通手段で移動するにしても、母子手帳、保険証はもとより、マタニティマークを忘れないようにしてください。
急な吐き気の対処にポリ袋も準備しておきましょう。
移動手段は車がおすすめ
日帰り旅行に出かける時は、なるべく自家用車で移動することをおすすめします。バスツアーに参加すると、万が一の体調不良の時に、他のツアー参加者に迷惑をかけてしまいます。その点、自家用車なら融通がききます。途中の休憩も、自分のタイミングで取ることができますし、シートの調節に気づかいの必要がありません。
好きな音楽を聴きながら、周りを気にせずリラックスできます。もし、やむを得ず、公共交通機関を利用するならば、混雑する時間帯は避けるようにしましょう。満員電車は、精神的にも肉体的にもストレスがかかります。また、自家用車で移動する場合でも、渋滞に巻き込まれてしまう心配があるので、連休中の高速道路を使う時は、道路情報をこまめにチェックしてください。
長い間、同じ姿勢でいると、足がむくんでしまいます。妊娠中は、その傾向が強いので、普段以上に気をつけてくださいね。予防のために、着圧ソックスを履いている妊婦もいます。
温泉、プールなどは足下に注意
温泉に行きたいと考える人もいるでしょうが、妊娠中はのぼせやすいので、無理しないようにしましょう。たちくらみの心配もつきまといます。こまめに水分補給をしてくださいね。温泉施設によっては、妊婦さんをお断りするところもあるので、事前に確認が必要です。
また、浴室は滑りやすいので、足下に注意してください。プールも同様です。それから、プールや温泉には、感染症の危険も伴います。プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ、他にも食中毒が原因となる病原性大腸菌といった感染症があります。
椅子、手すりにもその危険が潜んでいます。
腟トリコモナスは椅子から感染することがあります。温泉施設で椅子を利用するときには、自分のタオルを敷いて座るようにしましょう。
テーマパークの絶叫マシーンはNG
これは、言うまでもないことですが、テーマパークや遊園地の絶叫マシーンは絶対にNGです。お腹の赤ちゃんが驚いてしまいます。妊婦でも、利用できるアトラクションで楽しむようにしてくださいね。また、テーマパークによっては、妊婦サポートを受けられるところもあるので、事前に問い合わせしておくといいでしょう。
なるべく人混みを避けて、ゆったりと楽しんでください。
おすすめスポット、その1
では、妊婦の日帰り旅行には、どんな場所が向いているのでしょうか。美術館で、美しい絵画や彫刻を観賞することをおすすめします。心が穏やかになり、胎教にもいい影響を与えてくれるかもしれません。静かな場所でゆったりと過ごすことで、落ち着いた気持ちになります。
小さい子どもが走り回るようなこともないので、安心です。
おすすめスポット、その2
神社、仏閣などの、パワースポットもおすすめです。安産を祈願するのもいいでしょう。仏像めぐりもいいですね。予定をつめこみすぎず、ゆったりとまわってくださいね。ただ、足下が砂利道になっているところが多いので、気をつけてください。
歴史がある建物や世界遺産に行くのも妊婦に向いています。静かな大人の時間を満喫することができるでしょう。
おすすめスポット、その3
景勝地で、キレイな景色を見るのはどうでしょうか。海に沈む夕日や、季節の草花など、自然のなかでリフレッシュすることができます。お土産を選ぶのも楽しいですね。その土地の美味しいグルメを、たくさん食べていい思い出を作りましょう。
たくさん歩く時は、リュックを背負うのがおすすめです。両手が空いて、楽ですし転倒のリスクを避けることができますよ。
おすすめスポット、その4
妊婦には、散歩が不可欠です。しかし、意外と運動不足気味という人も多いのではないでしょうか。毎日同じコースをだらだらと歩くのも飽きてしまいますよね。そんな時は、動物園に出かけましょう。植物園でも構いません。
違う風景や会話を楽しみながら、無理なくあるくことができますよ。万歩計をつけて歩くと、自分の歩数に驚くかもしれません。
おすすめスポット、その5
夫婦の思い出の場所を旅してみませんか。恋人時代にデートした場所をまわってみるのです。出産後は、赤ちゃんにかかりきりで、夫婦の会話も少なくなりがちです。イライラして、お互い険悪な雰囲気になることもあるかもしれません。
出産前に、恋人気分を楽しんで、夫婦の絆をより強くしておくと、出産後のトラブルも、きっと2人で乗り越えていくことができるでしょう。
日帰り旅行は自己責任で
妊婦の旅行をマタニティ旅、略して「マタ旅」というそうです。妊娠中にしかできないことを楽しむのは、とても良いことです。ほかにも、妊娠中の姿を撮影する「マタフォト」も人気です。長い人生のうちで、妊娠している期間はわずかです。
思い切っていろんなことをしてみたいという気持ちは理解できます。しかし、わずかな時間だからこそ、我慢することも必要なのではないでしょうか。お腹の中に宿っている愛しい命を、安全にこの世界に送り出してあげることが、妊婦にとって一番大切なことだといえます。
日帰り旅行で、気持ちをリフレッシュさせることは、悪いことではありません。むしろ、ストレスが溜まりやすい妊婦にとって、必要なことでもあります。ただ、絶対に無理をすべきではありません。お腹の赤ちゃんのために、どう行動すればよいかはお母さんなら、わかっているはずです。
妊婦だからといって、慎重になりすぎるのもよくありませんが、羽目を外しすぎるのは論外です。自分の体調と相談しながら、素敵なマタ旅の思い出を作ってくださいね。